フタル酸エステル類 分析
梱包材のように製品に直接接触する資材だけでなく、
手袋や筆記用具など間接的に接触する副資材まですべての工程で注意が必要です。
フタル酸エステル類の規制
従来、フタル酸エステル類の規制は、玩具に対する使用制限が主でしたが、近年はRoHS指令対象物質への追加(2019年7月~)や、REACH規則における対象を全成形品に拡大(2020年7月~)するなど、規制の範囲が広がっています。
- 2019年
ROHS2 -
電子・電気機器
産業機器
化学・材料
金属材料
- 2020年
REACH -
自動車
文房具
工具 など
- 2021年
ROHS2 -
医療
監視機器
【 フタル酸エステル類の特徴 】
塩化ビニル樹脂(塩ビ)を中⼼としたプラスチックに柔軟性を与える可塑剤として、世界各国で広く使われています。接触移行性が高い物質で、接触した樹脂表面に付着し一部は内部にしみ込みます。
電線やUSBコードの被膜線だけでなく、梱包用のフィルムや梱包箱のインク、また作業で使用される手袋や文房具にも注意が必要です。
EUでは年間100件以上、フタル酸エステル類の違反事例が報告されています。
(EU rapid alert system for dangerous non-food products-“Safety Gate”)

段ボール
包装袋
テープ
緩衝材
手袋
インク
デスクマット
消しゴム
和 名 | 略称 | RoHS | Reach (Annex17) |
閾値 |
---|---|---|---|---|
フタル酸ビス2-エチルヘキシル | DEHP | ○ | ○ | 0.10% (1000ppm) |
フタル酸ジブチル | DBP | ○ | ○ | 0.10% (1000ppm) |
フタル酸ブチルベンジル | BBP | ○ | ○ | 0.10% (1000ppm) |
フタル酸ジイソブチル | DIBP | ○ | ○ | 0.10% (1000ppm) |
フタル酸ジイソノニル | DINP | ー | ○ | 0.10% (1000ppm) |
フタル酸ジイソデシル | DIDP | ー | ○ | 0.10% (1000ppm) |
フタル酸ジ-n-オクチル | DNOP | ー | ○ | 0.10% (1000ppm) |
産業分析センターの強み
ISO17025認定分析機関
弊社はRoHS指令の全対象物質について、ISO17025の試験所認定を受けております。(分析規格:IEC62321)ただし、試料の材質によってはIEC62321が分析の対象としていない場合がございます。認定内容の詳細につきましては別途提出することもできますので、ご依頼の有無にかかわらずご相談ください。
少ないサンプル量でも対応可能
最低試料重量約5gでRoHS指令対象物質の分析が可能です。また、試料重量5gの確保が難しい場合であっても柔軟に対応いたしますので、ご相談ください。
分析部位のご指定も承ります
『ワイヤーハーネスの被覆部分のみを分析してほしい』『コネクタの金属部と樹脂部を別々に分析してほしい』など、組立品の分析部位のご指定も承っております。